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新年を迎えて 〜兵の形は水に象る 

新年あけまして、おめでとうございます。

 

2022年も始まりました。

この2年間、新型コロナ感染症の状況下で過ごすことを余儀なくされ、

今年3年目を迎えようとしております。

思えばこの2年間、経営も人事も変容を余儀なくされました。

1年目は新しい事態に対処し、2年目は新しい時代に適応しました。

3年目は新しい時代を創る、そんな年なのではないでしょうか。

 

今年も、弊社は皆様の組織とヒトの課題を一緒にカタドリ、

一緒に解決策をカタドリ、一緒に実行して行きたいと思っております。

 

今回は、弊社株式会社カタドリの名前の由来についてお話ししたいと思います。

上記のように、カタドリという名前は「象る(かたどる)」、

すなわち「形にする」という言葉を名詞化したものです。

ですが、さらに元ネタがあります。

 

それは、孫子の虚実篇八の

「兵形象水」兵の形は水に象る

という一節の「象る」から取っています。

意味としては

「軍隊の形は、水のようなものだ」という意味です。

続いて、「水之形、避高而趨下、兵之形、避實而撃虚、

水因地而制流、兵因敵而制勝、故兵無常勢、水無常形

とあり、

「軍隊には勢いというものはなく、決まった形というものはないのだ」

といった意味の文章が続きます。

 

なぜ、この一節から取ったのか?

それは、日頃様々な会社の課題解決のお手伝いをしていく中で、

「型」や「メソッド、理論」に頼りすぎているのではないか、

という疑問があったからです。

もちろん、歌舞伎た伝統演劇の「型の重要さ」の例を取るまでもなく、

「型」や「メソッド、理論」を否定はしません。

但し、それらは実態との整合性がないと、無益どころか有害です。

 

良い例が「1on1」です。

・「1on1」を入れれば、職場内対話が進む。

・「1on1」を入れれば、人材育成が図られる。

・「1on1」を入れれば、目標達成が確実になる。

と思って、単に手法だけ導入すると言った企業が多くありますし、

多くの社員から、上司との「1on1」が苦痛で苦痛で仕方ない。と言った声を聞きます。

これはまるで、

体調が悪くて医者のところに行き、診断もしてもらわずに、

「僕の前の患者さんと同じ薬ください」

と言っているのに近く。

(言い方は失礼ですが)ほとんど狂気に近いと思います。

 

単なる手法に飛びついたり、理論をそのまま導入するのではなく、

自社のありたい姿を元に、どうしたらその課題が解決するのか、

考える必要があります。

また、人間は思い通りに意識を変えたり、

行動を喚起することは非常に困難であると言わざるを得ません。

また、人間の集合体である、『組織』も同様です。

一つの手法や理論が、発案者や企画者の意図通り受け取られるとは言えません。

経営側や人事側が良かれと思ってやったことが、

人材育成を阻害したり、組織風土を歪めたりする可能性もあります。

なので、経営側や人事側のあらゆる発信は入念で精緻な検討が必要なのです。

 

水は、器に合わせて形を変えます。

上から下へ、融通無碍に流れます。

しかも、どんな障害物があったとしても、力強い勢いで進みます。

先ほどの「兵形象水」の通り、柔軟で融通無碍で自由な発想が必要なのです。

 

今年も様々な会社で経営上の課題や組織課題、人材育成課題の解決のために

「施策」を企画し、実行すると思います。

その際に、「水を象って」いるか、どうか?

水のように器(ここでは貴社の組織風土や人材でしょう)に合わせて

形を変えているか?

点検してみると良いでしょう。

 

我々、カタドリは、お客様とともに未来を描きながら、

ともに象る、そんな一年にしたいと思います。

今年も宜しくお願い致します。

 

年初のご挨拶にかえて

株式会社カタドリ 

      代表取締役 増田 清香

      専務取締役 松本 宜大